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ランド

」に関係する書籍

著書名 ランド 世界を支配した研究所
著者名アレックス・アベラ
出版社 文藝春秋
ASIN 4163706305
装丁 単行本
価格 ¥ 2,200

読後感想

概要:日本のこれからを考えるための貴重な書
本文: 日本でも重要になってきているシンクタンクシステム。その源流とも言えるアメリカのシンクタンク。
 アメリカのシンクタンクでも、有名であるのがブルックリン研究所とこの本でかかれているランド研究所です。
 まさに、アメリカの研究所の源流ですが、そのランドという名付けの意味が「Research and Development」もしくは「Research and No Development」の大文字部分を略したものであると言われているとおり、研究を重視する、もしくは、研究だけをする意味です。
 要するに、知識の集積こそが世界を支配するともいわんとする組織、かつ、本当に世界を支配してしまった研究所こそ、このランド研究所と言えます。
 この研究所の一番の宝は人材であり、また、そのアイデアです。
 過去のアメリカの政権にアイデアと人材を供給し続けた、おそるべきシンクタンクであり、そのシンクタンクで研究を続けたある意味奇怪な人々の生き様を感じることができる本です。
 これから日本も官庁の力が弱くなるに従い、その官庁が担ってきた研究機関としての役割をこういった研究所が果たしていくことになるのでしょう。
 とくに政権政党がなんども変更していくためには、実現可能な現実てきな政策が必要であり、こうした研究所は必ず必要となってきます。
 そういう意味でも、この本を読むことは、日本の政治のあり方、かつ、世界のあり方を考えることのできる貴重な一冊となりそうです。
 また、知識を操るユダヤ人の姿を追いかけてみてください。


概要:原著への9/21付けのレヴューのコピーです
本文:rand corporationといえば核戦略論の一端をかじったものにとっては、どう理解したらいいのか不思議な組織でした。アメリカのdefense intellectualsの経歴をたどると、必ずこのthink tankとの関わりがでてくるのです。政府ではないにもかかわらず、政府の政策のベースとなった核戦略論はこの組織のbrain childですが、なぜこのような組織が生み出されそしてその存在が許されてきたのかは、特殊アメリカ的な現象です。というわけでこの作品を読んでみました。読後感はというと、余りにも盛りだくさんの狙いを求めすぎた作品のようです。組織の歴史、組織の華やかな50年代から60年代への歴史を飾ったきらびやかなパーソナリティたち、組織の哲学的背景でもある合理的選択理論、そして黄金期の後の組織の変貌、そして戦後アメリカの変貌のすべてを関連付けて説明しようというのは余りにも大それた試みでした。たしかにこの組織のエトスそしてその栄光と没落を代表するパーソナリティとして取り上げられたalbert (彼には論文以外の作品はないのか?)and roberta wohlstetter(名著:peral harbour:warning and decisionの著者)夫妻の人生が中心となる構成がなされているのですが、この夫婦の長い人生もパッチワーク的に取り上げられるだけです。もう一つのテーマでもある合理的選択論ですが、これも深い批判的な考察が向けられることはなく、ただ皮相的にその問題点と矛盾が扱われるだけです。同じようなことがdaniel elsbergについてもいえるようです。たしかに2000年以降のネオコンにまでつながる源流としてのalbert wohlstetterの選択は見事な視角なのですが、その議論を支える材料が余りにも不足していたようでした

概要:アメリカORの原点
本文:もともとORはイギリスからスタートしてますが、この本はアメリカORの原点を語ってくれます。
OR好きには堪らない一冊。
ランド研究所の存在を知らなかったのですが、ルメイ将軍が立ち上げに関わっていたとは...
空軍寄りの機関なのですね。
「B17」というビデオでルメイ将軍を観た事があります。(凄いカリスマが出てました)
原子力のリッコーバー提督(米海軍)といい、強烈な技術は強烈な人の後押しで生まれてくるものなのですね...

巻末の関係人物の中には当たり前の様にフォン・ノイマンとジョン・ナッシュの名前が。
これを見て買うのを決めた様なもんです。

著書名 ポール・ランド、デザインの授業
著者名Michael Kroeger
出版社 ビーエヌエヌ新社
ASIN 4861005841
装丁 単行本
価格 ¥ 1,470

読後感想

概要:理論と実践をつなぐもの
本文:ハンドブック程度の薄さながら、ポール・ランドという偉大で頑固なデザイナーの、真摯で厳しくユーモアと皮肉を併せ持った人となりが、同僚・後輩との会話や学生相手の講義の様子を通して余すところなく伝わってくる。デザインに限らず、物事の本質はたいてい至ってシンプルで、それだけを箇条書きで示されれば既知のことと錯覚してしまいそうにもなるものだが、それが日々の仕事に反映されるためには弛まぬ経験の積み重ねが欠かせない。理論と実践を橋渡しする膨大な経験から紡ぎ出された貴重なエッセンスが垣間見える良書。

概要:若いデザイナー必見です!
本文:デザイン業界で働きたい学生、学生たちを教える先生たち必見です。

デザイン業界の重鎮、ポール・ランドといっても、今の若い学生たちはほとんど知らないでしょう。
縁があり、仕事で1990年来日した氏とご夫妻とご一緒したことがあります。
頑固で意地悪、気難しいと評判のポール・ランドでしたが、その背景には、豊富な読書量と、勉強と経験によって裏付けられた自信、何よりも周囲への愛情の裏返しなのかと、実感いたしました。

誰よりもデザインを愛し、デザインの力を信じていた人だと思います。
「デザインはすべての芸術の基盤なんだよ」とか「デザインは古びない。デザインは普遍的であり時を超えるんだよ」の言葉はデザインをしていく上での大きな励みになるでしょう。
アメリカの生んだデザインを一気に押し上げたデザイナーでもあり、長い間大学で教えてきた教師としてのポール・ランドの言葉に是非触れていただきたいと思います。

概要:デザインとは関係のしくみである(ポール・ランド)
本文:「IBM」社のシンボルマークを作成したポール・ランド氏は,CI(Corporate Identification)デザインの開祖です。
この本は,1995年に行われたアリゾナ州立大学でのワークショップの記録がベースになっており,マイケル・クローガー(Michael Kroeger)氏によって編まれたものです。ポール・ランド氏の最晩年のデザイン哲学・デザイン教育論です。この日本語版は出版されたばかり。
主な構成は,[対話1]として「教授陣との講演打合せの内容」,[対話2]の「講演での学生との対話」から成ります。講演記録を編集したものですから,そんなにボリュームのある本ではありませんが,故に含蓄のあるキーフレーズの連続です。

著書名 CIA秘録上
著者名ティム・ワイナー
出版社 文藝春秋
ASIN 4163708006
装丁 単行本
価格 ¥ 1,950

読後感想

概要:実名に勝る情報なし、必見の本
本文:

著書名 サイエンス・インポッシブル―SF世界は実現可能か
著者名ミチオ カク
出版社 日本放送出版協会
ASIN 4140813245
装丁 単行本
価格 ¥ 2,520

読後感想

概要:SFネタは現実化するのか?
本文:テレポーションは転送装置のようにできるようになるのか?
恒星間の宇宙船旅行はいつできるのか?
タイムトラベルはトポロジーに反せずに実用化できるのか?
並行宇宙は実際に存在するのか?

SFによく使われるネタを現在の最先端科学を基に量子力学の第一人者の著者が
検証、推定していきます。

まず著者が現実化しそうだと推定する領域からレベル1から3に区分けして、
これらのSFネタを検証しています。
まずそのSFネタの有名なSFのあらすじやそのSFネタの発想を語りかけて
注意を促してから、現在のテクノロジーではどこまで進んでいるのか、
これらのSFネタはどれくらいかかるのか推定します。

実際テレポーションは原子レベルまで実用化されていますし、分子レベルまでの
テレポーションは比較的早く実現しそうなので、レベル1の前半に置かれています。

扱っている内容がとにかく有名なネタばかりなので読み飽きる事がありません。
そしてそれに関連する科学技術も合わせて著者が解説しているので1冊で2度美味しい♪

本書に出てきた邦訳書や参考文献は巻末にありますので、本書を孫引きにして
SFを探していくのも一興です。かなりSF書を取り上げています。

本書はSFを下に著者カク・ミチオの思考事件を展開して今後どうなるかを予想したもの。

概要:「物理法則には逆らえません、船長」 〜 スター・トレックより
本文:・アニメ「攻殻機動隊」の光学迷彩(不可視化)
・映画「ザ・フライ」のテレポーテーション

・・・これらはSFのままか?
ミチオ・カク氏はこれらが既知の物理法則に反しないので、実現可能だと述べる。
それどこころか近年、メタマテリアルの発明による負の屈折率の実現や、
原子のテレポートの成功例を挙げ、ハードルは高いものの実現に近づいていると述べる。

ほかにも「反物質」を利用したスター・シップやカーボンナノチューブでつくる
「宇宙エレベーター」など、空想でしかなかったものが真剣に検討されている。

スター・トレック顔負けの奇想天外の物語・・いやノンフィクションである。

概要:あと1000年寿命が欲しくなる
本文:本職の物理学者(しかも超ひも理論の専門家)が、ガッツリ語るSF的ガジェットの実現可能性。

レーザー光線だのエネルギー・シールドだのといったものが、現在の理論的・技術的最先端からその延長
線上で、どれだけの実現可能性があるかを、かなりしっかり検討しています。

また、科学読本としても秀逸。
ゴリゴリのバリバリな数学とか物理学の先端理論のコッテリとした解説はなく、SF小説や映画に加え、文学
作品への言及も豊富で、読みやすく書かれています。コッテリとした解説はなくとも、自然界の四つの力が
それぞれどんな具合に取り扱われているかとか、余剰次元の巻き上げとか、異様に不自然な発見されす
ぎる素粒子だとか、反物質とは違う負のエネルギーとか、もしかしたらダークマターって・・・とか、本気の数学
を提示されたら「なんのことやらさっぱり」なお話しを、イメージ豊かに伝えてくれます。

折しも、欧州で世界最大の加速器の運用も始まり、素粒子方面で日本人がノーベル賞を受賞したり、
タイムリーでもあるので、著者が伝えてくれる最新動向には興奮しっぱなし。

さらにメインのSF的ガジェットの実現可能性にも他の同テーマの類書には見られない見所満載。
なんと「テレポート」とか「念力」の現実可能性が、比較的高めに判定されてますよ。
「超光速航行」の実現可能性なんて、「これがなんと「イエス」だ」とか言うので、もう耐えられません。
まったく不可能と目されているのが「永久機関」と「予知能力」のみで、それ以外のものは、あらかた(めっ
ちゃ留保条件つきながら)「物理法則に反しない」ので、不可能ではないらしい。うひー!

終章で、不可能だってのはどういうことよ?みたいな考察もあり、その科学的営為を楽観的に捉える態度
や、もう一歩踏み込めば、社会的・倫理的な考察に結びつきそうな部分もあって、単なるポップ・サイエン
ス読本には終わっていない点も指摘できるけど、そんなこんなよりも、ええええ、タイムトラベルって「物理法
則に反しない」のかよ!みたいな楽しい驚きに充ち満ちた一冊ですよ。

ライトセーバーがプラズマ・トーチってのにはガッカリながらも、人類の物理学と技術の進む先を見切れずに
あと数十年で死んでしまわなきゃいけないこの身がはがゆい一冊です。

蛇足ながら、いや原子モデルって便利な認識の方便なのであって実在してるわけじゃないよね、みたいな
とっちらかった社会構築主義が一部で根強く、自然科学者であると同時に哲学者でもあったエルンスト・
マッハを援用する向きもあるようだけど、マッハの時代にはボーアのモデルはまだ一般的に受け入れられて
いなかったとか。いろんな装置で観察されるものは、「原子そのものではなく、一定の輻射なりを、そのように
解釈されるもの」として観察しているにすぎない、とか言われますけど、なんか、すでに原子一個を直に
触ったり動かしたり(どころか反水素を創り出したり!)できるようになってるらしいッスよ!!

著書名 CIA秘録 下
著者名ティム・ワイナー
出版社 文藝春秋
ASIN 4163708103
装丁 単行本
価格 ¥ 1,950

読後感想

概要:
本文:

著書名 LANDCRUISER MAGAZINE (ランドクルーザー マガジン) 2009年 02月号 [雑誌]
著者名
出版社 かぴさまエンターテイメント
ASIN B001NIDO4C
装丁 雑誌
価格 ¥ 1,300

読後感想

概要:
本文:

著書名 クロスワードランド 2009年 02月号 [雑誌]
著者名
出版社 白夜書房
ASIN B001NCBXZK
装丁 雑誌
価格 ¥ 420

読後感想

概要:
本文:

著書名 魔法のi (アイ) らんど 2009年 02月号 [雑誌]
著者名
出版社 双葉社
ASIN B001NCBY40
装丁 雑誌
価格 ¥ 420

読後感想

概要:
本文:

著書名 水源―The Fountainhead
著者名アイン・ランド
出版社 ビジネス社
ASIN 4828411321
装丁 単行本
価格 ¥ 5,250

読後感想

概要:アイン・ランドの「水源」---読むにつれて昂揚心がわく本
本文:アイン・ランドの「水源」
原著”The Fountainhead ”by Ayn Rand, 1943
  日本語版「水源」アイン・ランド ビジネス社 2004
                   
アイン・ランドの名前を知ったのは前FRB議長アラン・グリーンスパン(賢人も咋今はケチョンケチョンに言われているが)の回想録「波乱の時代」の中で若き日のアランの恋人として登場するスーパーレディーとしてのプロファイルである。
しばらくこの人物のスーパーぶりについて語ろう。 
本名はアリッサ・ロウゼンバウムと言うユダヤ系ロシア人で、1905年にサンクトペテルブルグで生まれた。父親は化学者で大きな薬局を経営していたが、ロシア革命により薬局は国営化されてしまった。彼女はこの体制では生きていけないと考え、1926年にシカゴにいる親戚を頼って若干二十一歳でアメリカに亡命する。新聞配達やウェイトレスをしながら、英語を学び脚本家を志す。ハリウッドに移り住み映画「十戒」で有名なセシル B デミル監督に認められて頭角をあらわす。その後小説家として、評論家として、社会運動家として活躍し、超個人主義的自由主義(リバータリアニズム)の提唱者として有名になる。この信奉者たちをランディアンと称しアランもその一人であったらしいが、あまりにも強烈な彼女の個性に弾き飛ばされてしまった。またシカゴ大学の市場経済信奉者でノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンもその影響を受けた一人という。有名な長編小説が二作ある。
「肩をすくめるアトラス」-1957、「水源」-1943はそれぞれ執筆に14年、7年を費やしたといわれる。1998年ランダムハウス出版モダンライブラリー部門の一般読者投票で、(英語で書かれた)20世紀の小説ベスト100の1位と2位を占めた。「水源」は1949年にゲリー・クーパーとパトリシア・ニール主演により「摩天楼」というタイトルで映画化されている。
これほど有名なアメリカのスーパースターの作品が初版から60年経って日本で翻訳されたのだ。
知る人ぞ知る名作「水源」の話に入ろう。
 物語は20世紀初頭のアメリカに於ける建築ラッシュが舞台である。1893年にシカゴでコロンビア万国博覧会が開かれた。テーマはギリシャ、ローマ風建築物の様式というものだったらしく、ミシガン湖沿岸に似非ローマ帝国建築物がこれでもかこれでもかと言うくらい立ち並んだといわれる。その後全米各地でこの懐古趣味が大流行して、公共建築物や個人の豪邸建設に大理石を多用した豪華なファサードや柱廊、渦巻きや蛇腹の装飾等がおおいに取り入れられるのである。一方マンハッタンを始めとして合理主義優先のスティールとコンクリートによる摩天楼の建設がはじまり、古典とモダーンを巡って設計事務所の大競争が始まるのである。ボストンの名門工科大学を優秀な成績で卒業し世渡り上手なキーティング、一方合理性の塊で激しい自己主張のあげく退学処分を受けた天才肌のローク、この二人の青年が業界に飛び込むところから話は始まる。
初期の競争を制したのは万博の効果をフル活用した古典派と折中派であり、モダーン派はその合理性がなかなか世間に受け入れられず辛酸をなめた。キーティングは古典派の有名設計事務所で大成功、ロークはかつてモダーンの巨匠といわれた一徹な人物に師事し貧乏のどん底を這いまわる。しかしロークはへこたれない。そうした時期にある人物がロークの才能と人となりに共鳴して、
私邸の建設を依頼する。しかもロークがたった一人の建築事務所を開設するのを前提に。事務所の看板は「ハワード・ローク 建築家」。老師は謂う「これは城の入口に彫りつけられたりするような、人がそのために死ぬような、そんな生きる指針となるような重要な言葉に似ている。これは、やみくもに大きく実に暗澹とした何かに対峙する挑戦だ。ともかく苦痛という苦痛が、お前がこれから直面するであろうことから生まれてくる。
それがどういうものになるかは、俺にはわからない。なぜ、そんな苦しみがお前めがけて放たれなければならないのか、俺にはわからない。ただそう言うことが起きると言うことは、俺にはわかる。お前が最後まで自分を信じ実行できるのならば、お前の勝ちだ。お前が勝てば、勝利を獲得すべきだったのに、世界を動かしたのに・・・・しかし決して世間から認められたことがなかった何かが勝ったことになるのだ。お前が勝てば、過去打ちのめされ滅びていった人々、かつて苦しみ泣いた人々の仇を討つことになるのだ。」。ローク26歳の年だった。
 合理性を貫き、妥協を許さぬモダーン建築の天才ロークにクライアントはあきれてソッポを向き、心あるクライアントからの数件の設計料を手にしただけであった。起死回生のプロジェクトである、マンハッタンに建設予定の大銀行本店の50階高層ビルも、クライアントからの小変更―ギリシャ建築風ファサードの取付―が全体のバランスを崩すという理由で、契約寸前でローク自身が破棄し莫大な設計料をフイにしてしまう。これをもって事務所は閉鎖、ロークは花崗岩採石場の労働者として生活の糧を得ることになる。「いつか自分が求められる日が来るさ。」と。
 一方キーティングは持ち前の才能と世渡りの上手さから順風満帆の毎日だ。
ハリウッドの巨大映画会社がマンハッタンに「世界一美しい建築物」と題した本社ビルの建設を企画し、設計コンテストが行われた。応募したキーティングはこれに優勝し、一躍全米で脚光をあびる。これを機会に所属する事務所から若きパートナーとして迎えられる。まさに二人の境遇は天国と地獄、ここで一幕終了となる。

 採石場で働くロークのもとへ一通の手紙が届く。有名な実業家が計画している大規模集合住宅の設計を引き受けて欲しいという依頼だ。数少ないロークの作品のうちマンハッタンに建てられたデパートの出来栄えを見てのご指名である。やっと事務所は再開され社員も雇えるようになった。丁度そのころロークはキーティングが所属する建築事務所の社主の令嬢ドミニクと奇妙な愛人関係におちいる。
ドミニクは大新聞の建築関係コラムニストで強烈な個性の持ち主、抜群の美貌と切れ味で多くのファンに囲まれている。愛しているが憎い。ロークはコラムの中でドミニクの攻撃にさらされる。それはライバル キーティングを利するように読めるが、深読みすればロークの偉大さを巧みに表現しているのである。二人の愛憎と相克が続く。
 ロークの才能を知るようになった心あるクライアントが少しずつ増えてくる。しかし彼は建築界の守旧派には好かれない。なかでも博愛者を自称する高名な評論家が陰に陽にロークを貶めるような画策をする。この食わせ者は凡庸な大金持ちをそそのかしてある建築物の設計をロークに依頼させる。そしてその出来栄えに対して予定していた非難を浴びせ、損害賠償請求を起させる。ロークは敗訴し、以後の受注はパッタリ無くなる。切れ者ドミニクはロークとの永遠の愛を心に秘めて、なんとライバルのキーティングと業界うけを意識した形ばかりの結婚に突入してしまう。アメリカ建築家協会、業界の派閥、業界を喰い物にする活字メディア、ゴシップ好きの社交界等が絡まりあって物語は進んで行く。第二幕終了。

 こんどの主役は新聞王ワイナンドだ。紙面前半は殆どワイナンドの生い立ちとメディア業界を席巻していく彼の行動パターンの記述である。当時はTVやインターネットがまだ存在していなかったのでメディアの主役は新聞・雑誌・映画であり、彼は現代におけるマードック氏のような存在だったのだろう。
マンハッタン下町の貧しい港湾労働者の息子として生まれた彼はもって生れたスーパーIQを生かして、非情に冷徹にダーティーに新聞業界を駆けあがる。モットーは「大衆を掴め」だ。彼は言う。「ニュースというものは、最大多数の人間に最大の興奮を引き起こすものでなくてはならない。連中を打ちのめして馬鹿にしてしまうようなものがニュースだ。馬鹿馬鹿しいほど、いいニュースだ」と。成功した彼はマンハッタン52階のペントハウスに住む独身のプレイボーイである。ここから後半に移る。登場してくるのは同じくスーパーIQの持ち主ドミニクだ。ワイナンドは自分が所有する広大な敷地に一大コミュニティーの建設を計画している。
このプロジェクトの受注をめぐって名だたる建築家の争奪戦が展開される。キーティングも喉から手が出るほど欲しい。またまた例の食わせ者の評論家はキーティング夫人つまりドミニクを利用して、ワイナンドに取り入りキーティングへの発注を支援したように装う。ワイナンドはキーティング夫妻と会食し、すぐに凡庸なキーティングにはドミニクが相応しくないことを見抜く。そしてドミニクを自分のヨットでクルーズにさそい、我こそがドミニクに相応しい男だと彼女に結婚をせまる。この間のスーパーIQ同志のやり取りの記述には作者のメンタリティーの高さの面目躍如たるものがある。キーティングはプロジェクトを受注する。ドミニクを売って受注したと自己嫌悪に陥るキーティング、しかしドミニクにはそんなことは関係ない。自分は大富豪の妻として、あらたにスーパーIQどうしの人生をエンジョイすれば良いのだから。自分が本当に愛しているのはロークなのだ。しかしワイナンドは違う、どうやらドミニクを心底愛してしまったようだ。第三幕終了。

引き続き物語をリードするのはワイナンドだ。今まで愛などというものを実感したことがなかった、このアクが強い新聞王はドミニクにすっかり魂を奪われてしまった。そしてドミニクと自身のためのプライベート宮殿をコネティカットの郊外に建てようと決意する。自ら全米の建築物を調査した結果、ロークの建築様式がこの宮殿に相応しいと判断して、ロークの一存で建築を進めてくれるよう依頼する。発注した後でワイナンドはロークの経歴の一部始終を仔細に調べ上げる。その経歴と思考の共通性から二人の間には、お互い精神安定剤的不思議な交友関係が生まれる。類は友を呼ぶ。完成した宮殿(カントリーハウス)にワイナンドとドミニクはいたく感動する。ワイナンドの後押しもあってロークの事務所は繁忙をきわめる。ワイナンドはロークと二人だけで、彼のヨットを使用した三か月の外界から遮断された息抜きを提案する。著者はロークに語らせる。「この世の悪の中でも、唯一絶対的な基本的悪とは、人間の主たる関心を他人に置くことだと思う。」、「僕が敬意を払う人間の資質というのはひとつだけです。その資質とは自己充足した自分を持っていることです。」等々。そしてマンハッタンに戻ったロークを驚愕の事実が待ち受けていた。
これより前に大規模な低所得者向け公共住宅建設プロジェクトが政府により発表されていた。建設コスト・保守コストを最少に抑えた難しい設計を、ロークは自分の建築工学の粋を尽して成し遂げる。見るからに合理的で機能的な建築物。ある理由からこの建築物の完成をキーティングに依頼する。ただし自分の設計に100%忠実に実施するという契約のもとに。
ロークは完成したその建築物の前に立っている。自分が不在だった三か月のあいだに多くの利害関係者がよってたかって設計変更し、バランスの崩れた醜悪な建物が目の前に存在する。耐えがたい赦しがたい事実だった。ある晩、ロークはこの建物をダイナマイトを使って爆破してしまう。当然逮捕・起訴ということになり、世間は大騒ぎとなる。低所得者向け住宅を利己的な理由で破壊したと判断する世論はロークに非難轟々。しかし事情を理解しているワイナンドは彼の支配するメディア帝国の全力を尽くしてロークを支援する。ここから紆余曲折を経て物語は大団円に向かって行く。これから先は、もう私からは語るまい。
結末、ロークは老師の期待に応えて「勝」を手に入れる。

自我と自由を主張して既存の勢力に挑戦するロークとドミニクは、作者の提唱する超個人主義的自由主義を具現化する存在だ。私が生まれた頃に書かれた、この社会派小説も65年を経て、いまだにみずみずしさを感じさせる。厚さ5センチ、重さ1キログラム、定価五千円、変形A5版1,000ページを超すこの大長編小説、読み始めるとグングン引き込まれていく。この10年の間に私が読んだ小説の中の最高傑作だ。この作品の特徴である心理描写は薄っぺらな映像メディアでは到底表現しきれるものではない。まさに活字メディアの華だ。ぜひご一読をお薦めしたい。
最後に付け加えると、この本の訳者 藤森 かよこ氏も大変な知見者であり
現在「日本アイン・ランド研究会」(http://www.aynrand2001japan.com)を
主宰しておられる。サイトを開くことも併せてお薦めしたい。
以   上
                



概要:自由のはき違えに注意
本文:訳者は,あとがきの中で,日本人をアメリカの寄生虫の如く表現し,冷戦状況の対立思想に
言及している。
極めて,二元論的な論理展開であり,そのことが自らの思想の押しつけとなって,他者の
「自由」を制限していることに気づいていないのは残念である。
即ち,ランドの価値観だけを押しつけるのは,どの様に生きることも自由であるということ
を制限してしまっている。
それが,本人の「自由な選択」であるならば,「反米サヨクごっこ」に終始するのも「自由」
ではないのか。
「より良く生きない自由」も認めてこそ,本当に他者の「自由」を認めることであろう。
本質的な「自由」をいうのであれば,自分は「より良く生きない自由」を「選択しない」と
いうことだけで,そのことを論評すべきではないだろう。

その意味では,ランドの思想は一つのものであるが,「全てではない」ことを認めないと,
前述のように,自らが他者の「自由」を制限するという誤謬に陥ってしまう。
そうでないと,「私が生きることができるのは,私自身の生だけなのだから,私は私の主体に
なるしかない」という訳者の言葉は,嘘になる。



概要:人生に迷ったら、ロークに聞こう!
本文:映画『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンのモデルは、『未来少年コナン』だと
ずーっと信じていたのですが、『水源』を読んで考えが改まりました。コナンのス
タイルにインスパイアされてはいるものの、本当のモデルはハワード・ロークであ
ると。
さらに、ハワード・ロークは、すべてのアメリカン・ヒーローの原点であるという
結論に達しました。その理由は、この本を読めばわかります。この2段組 1032 頁
の大作には、アメリカ人を理解するための材料、さらには人間の心理を説明するた
めの言葉があふれています。

アメリカで今も読み継がれる大ロングセラー、建築を学ぶ学生必読とも言われてい
ますが、まだ人生を模索中の若い人たちに是非読んでもらいたい一冊です。そこに
は、ピーター・キーティングという人物を通して、親に進路を強制されることの悲
劇も描かれています。ドミニク・フランコンを通して、自立することの意味を紆余
曲折を経てやっと手に入れる幸福が描かれています。さらに、あの映画やこの映
画、いろんなアメリカ映画のアイデアがてんこ盛りです(デミ・ムーアの『幸福の
条件』のアイデアもここにあります)。

100 ページの本を 10 冊読むと思って、この大作を楽しみましょう!

概要:言葉がぐわっと
本文:心に突き刺さる、とはこういうことを言うのですね。いままで言葉にできなくて、感覚として捕らえていたぼんやりふわっとした子を、つかまえた!!!と思いました。おにごっこが、とりあえず、終わったとでも言うのでしょうか。今は、五時の鐘が鳴って解散した帰り道、自転車を漕いでいるときにみる夕暮れのような黄昏時のような、あの感覚です。

概要:若い人はぜひどうぞ!
本文:9.11事件以後、アメリカ政治に興味を持ち、副島隆彦氏のサイトで紹介されていた『水源』を知っ
た。作者のアイン・ランドが提唱した客観主義という思想は、リバタリアニズムと呼ばれるラディ
カルな自由主義に属し、個人の自由と平等と幸福の追求の権利を守ることだけが政府の機能とする
最小国家を支持するものである。この本の主人公ロークは、独創的な考えを持つ天才建築家であり
彼を通して、人間は決して他人に依存して生きるのではなく、自分の知性から生まれた独立した仕
事によって、自立して生きるべきだということを教えてくれる。

小説の登場人物がそれぞれ魅力的で、読んでいてまったく飽きない。ストーリーも、特に後半は
「次はどうなる?」の連続でおもしろい。ひとりひとりの性格がセリフに表れていて、生き生きと
している。これは翻訳の力に負うところが大きいと思う。「他人のために生きよ」と説く評論家の
エルスワース・トゥーイーのしゃべり方など、あまりに気持ち悪くて(?)背筋がゾクゾクして来
る。マスコミを操作し人々を組織して、ロークの社会的抹殺を画策するところは手に汗握る。

また、主人公が建築家なので、ロークが設計した建物も数多く描写される。それらは自然に溶け込
みコストがかからず、隅々まで配慮されて美しい。建設現場で働く職人に対する作者の視線はとて
も暖かい。ロークは他人に関心がなく、影響されないので冷たいと思われるが、わかる人には彼が
他人を活気づけ、命を与える人間だと感じさせる。彼が建てる建築物もそこに住む人に、人間の智
恵と力を信じ、より良い人生を生きたいと思わせるものなのだろう。

著書名 キャラさがしランド 2008年 12月号 [雑誌]
著者名
出版社 主婦と生活社
ASIN B001GWJWC8
装丁 雑誌
価格 ¥ 480

読後感想

概要:
本文: